利き脳と転脳

利き脳と転脳

利き脳を自由に操っていた女性

1984 年に神経心理学の専門誌に、「アメリカの 31 歳の女性が、10 代の頃から右脳と左脳を切替えていた」という実例が報告されています。

彼女は以下のように 1 人称を使い分けており、医師が脳波を検査すると「ME(私)」は左脳/「IT(それ)」は右脳の働きが活発だったそうです。

転脳していた女性の 1 人称と利き脳
1 人称 活動 利き脳
ME(私) 物事を計画したり本を読んだりする 左脳
IT(それ) 音楽を聴いたり絵を描いたりする 右脳

ビジネスやスポーツと転脳

ビジネスでは、経営者に状況に応じて左脳と右脳を自由に切替えることが求められ、本人にできなければ利き脳が逆の参謀と組むことが良いとされています。

スポーツでは、野球やサッカーなどの球技には右脳/陸上競技には左脳が利き脳の選手が多く活躍しています。

球技は試合中に状況が変化するので直感的な右脳が重要ですが、陸上競技は「走る」「投げる」「飛ぶ」などの単純な運動の反復であると同時に個人種目であることから左脳が重要になるようです。

特に、野球のスイッチ・ヒッターは、右打席では右半身主導/左打席では左半身主導なので、左右の脳をバランスよく働かせられるそうです。

認知症防止と転脳

大阪市内で高齢者向けデイサービス施設を運営する社会福祉法人の隆生福祉会には、1 日に約 30 人のお年寄りが訪れ、その 7 割が軽い認知症です。

隆生福祉会では、以下のような転脳療法を採用しています。

  1. 絵と平仮名 1 文字が重なった 1 枚のカードを順番に見せる
  2. 直感的に絵と平仮名のどちらを先に認識するかにより、利き脳を判定する
    • 絵が先の場合は右脳
    • 平仮名が先の場合は左脳
  3. 絵ばかりを見る人には「平仮名を読むように」/平仮名ばかりを読む人には「絵を見るように」と促し、左右の脳の活性化を図る