脳と日本語

脳と日本語

脳と仮名・漢字

日本人が脳に何らかの障害を負って失語症になった場合、2 種類の症例があります。

  • 仮名だけが読めなくなる
  • 漢字だけが読めなくなる

日本語以外の言語では、「英語はアルファベット(表音文字)のみ」「中国語は漢字(表意文字)のみ」というように 1 種類の文字が用いられます。

しかし、日本語には平仮名・片仮名(表音文字)と漢字(表意文字)があるため、読みに関しては脳の 2 つの領域を使っているものと思われます。

韓国語でもハングル文字と漢字が併用されていますが、韓国語の漢字には音読みしかありません。

それに対して、日本語の漢字には音読みと訓読みがあるので、脳を複雑に利用することになるのでしょう。

余談ですが、養老 孟司さんは、マンガの吹出しは音訓読みのルビだ、と述べています。

マンガの絵は意味のある記号なので漢字に相当し、台詞を吹出しというルビに書込むことは、日本人が非常に得意だそうです。

脳と標準語・軍隊用語

NHK のアナウンサーが話す標準語に比べ、日常会話や方言や若者言葉は文法や発音に乱れが多くあります。

文語と口語も同様で、これは脳が負担を減らすために、半ば無意識に行っていることなのかもしれません。

正しい文法や発音で話したり書いたりすることはできなくても、聞いたり読んだりすることは誰にでもできます。

山本 七平さんは、出身地の異なる隊員がそれぞれの方言を使って生じる誤解を防ぐために、軍隊用語が生まれた、と書いています。

標準語や軍隊用語は脳が疲れる一方、共通了解性が高くなります。