脳とアルツハイマー病

脳とアルツハイマー病

老人の認知症の過半数は、アルツハイマー病と言われています。

アルツハイマー病は β アミロイドが脳に溜まることにより生じますが、β アミロイド自体は健康な脳にも存在します。

β アミロイドが何十年も分解されずに蓄積されると、脳が委縮してアルツハイマー病が発症しますが、寿命が短いネズミなどはアルツハイマー病にはなりません。

しかし、アルツハイマー病の原因遺伝子を組込むことにより、人工的にネズミをアルツハイマー病にすることができます。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校のコール博士が 2004 年の「ニューロン」に発表した論文によると、アルツハイマー病のネズミの脳ではドコサヘキサエン酸 DHA が少なくなっており、DHA を多く含んだ餌を与えると脳変性や記憶力低下を予防できたそうです。

DHA は、マグロ(脂身)・ブリ・サンマ・ウナギ・マイワシ・イクラなどに多く含まれます。

別の研究者は、カレーの香辛料となるウコン(英語名ターメリック)の黄色色素クルクミンも、アルツハイマー病に有効としています。

更に、風邪薬や頭痛薬に含まれるイブプロフェンやアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬 NSAIDs (Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs) の服用者にはアルツハイマー病の発症者が少なく、効果がある理由も解明されています。

また、シカゴ大学のシソディア博士が 2005 年の「セル」に発表した論文によると、アルツハイマー病のネズミを回転車などのおもちゃを入れた籠で飼育すると β アミロイドが約 70 % 減少し、β アミロイドの分解酵素が増加していたそうです。

β アミロイドを生成する γ セクレターゼという酵素の働きを阻害する薬が開発されつつありますが、副作用の調査などの課題があり実用化は先になりそうです。