ロボトミー手術
ロボトミー手術とは、前頭葉切除手術のことです。
lobotomy と綴られ、ロボット robot とは関係ありません。
lobo- は前頭葉や側頭葉などの「葉」を表し、-tomy は「切除」を表します。
ポルトガルの医師エガス・モニス (1874 - 1955) がロボトミー手術の治療的価値を発見して、1949 年のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
モニスは神経学を学んでコインブラ大学神経学科の主任教授となった後、ポルトガルの国会議員となり 1917 年には外務大臣にも就任しましたが、政治家を辞めてリスボン大学神経学教授となっています。
1935 年にロンドンで行われた神経医学会で、カーライル・ヤコブセンとジョン・フルトンが「チンパンジーにロボトミー手術を施したところ、凶暴性が失われた」と報告しました。
当時は、統合失調症や躁鬱病のような精神病に有効な治療法がなかったため、学会に参加していたモニスは、同年 11 月から自分の数十人の患者にロボトミー手術を行いました。
やがて、ウォルター・フリーマンとジェイムズ・ワッツがモニスのロボトミー手術をアメリカに紹介して、全米で年間 600 件ほどが実施されるようになりました。
実際は約 4 % の死亡例があり、1930 年代末には副作用も報告されていたのですが、モニスは「常に安全である」と言い、治療効果が重視されたため、手術例はノーベル賞受賞までにアメリカだけで 1 万件に達しています。
日本でも 1942 年の中田 瑞穂を始め、広瀬 貞雄が 1947 〜 1972 年の 25 年間に 523 件のロボトミー手術をした記録がありますが、総数は分からず 3 〜 12 万件と言われています。
しかし、1952 年のクロルプロマジンに始まる薬物療法が進歩するにつれ、ロボトミー手術の危険性が注目されるようになり、1970 年代以降はほとんど行われていません。
その後、ロボトミー手術の悲惨さを描いた 1975 年の映画「カッコーの巣の上で One Flew Over The Cuckoo's Nest」が公開され、アカデミー賞の主要 5 部門(作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞)を独占しました。
| 監督 | ミロシュ・フォアマン |
|---|---|
| 製作 | ソウル・ゼインツ |
| マイケル・ダグラス | |
| 原作 | ケン・キージー |
| 脚本 | ローレンス・ホウベン |
| ボー・ゴールドマン | |
| 撮影 | ハスケル・ウェクスラー |
| 音楽 | ジャック・ニッチェ |
| 編集 | リチャード・チュウ |
| 出演(役名) | ジャック・ニコルソン (R. P. McMurphy) |
| ルイーズ・フレッチャー (Nurse Ratched) | |
| ウィリアム・レッドフィールド (Harding) | |
| マイケル・ベリマン (Ellis) | |
| ピーター・ブロッコ (Col Matterson) |
アメリカなどでは現在もロボトミー手術の被害者や家族らが、モニスのノーベル賞受賞を取消す運動を行っています。
- 脳と記憶力
- 脳
- 脳の強化食品
- 知能指数 IQ と心の知能指数 EQ
- 脳とセラピー
- 左脳と右脳
- 右脳のトレーニング
- 脳と指組み・腕組み(うさうさ脳)
- 脳と睡眠
- 脳と記憶力
- 脳と語学力
- 右脳と速読
- フォトリーディング
